毎月三四石づつ出してゐる。大した脱税だ。

毎月三四石づつ出してゐる。大した脱税だ。よし山をまはって行っても見てやらうと考へた。そしてずっと下ってまがり角を三つ四つまがってから、非常に警戒しながらふり向いて見るともう向ふは一本の松の木が崖《がけ》の上につき出てゐるばかりすっかりあの男も家も見えなくなってゐた。さあいまだと税務署長は考へて一とび...

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もういまの家のもう少し川上にちゃんと小さな密造所がたってゐるんだ。

「あゝ会社だよ。会社は椎蕈山とは近いんだらう。」「ちがふよ。椎蕈山こっちだし会社ならこっちだ。」「会社まで何里あるね。」「一里だよ。」「どうだらう。会社から毎日荷馬車の便りがあるだらうか。」「三日に一度ぐらゐだよ。」 ふん、その会社は木材の会社でもなけぁ醋酸《さくさん》の会社でもない、途...

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 すると子供はよく聞えないらしく顔をかしげて眼を片っ方つぶって云った。 「どこね、会社へかね。」会社、さあ大変だと署長は思った。

「どうでせうね。わたしあ東京の乾物屋なんだが貸しの代りに酒をたくさんとったのがあるんだがどうでせう。椎蕈ととり代へるのを承知下さらないでせうかね。安くしますが。」「さあだめだらう。酒はこっちにもあるんだから。」「町から買ふんでせう。」「いゝや」「どこかに酒屋があるんですか。」「酒屋ってわけ...

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